先進医療-パクリタキセル腹腔内投与および静脈内投与ならびにS-1内服併用療法
先進医療についてのご紹介
抗がん剤治療の一つです。
パクリタキセル腹腔内投与および静脈内投与ならびにS-1内服併用療法
(ぱくりたきせるふくくうないとうよおよびじょうみゃくないとうよならびにえす-わんないふくへいようりょうほう)
適応症
腹膜播種または進行性胃がん(腹水細胞診または腹腔洗浄細胞診により遊離がん細胞を認めるものに限る。)
治療内容
胃がん細胞が、腹膜に多数散らばったように転移した状態を「胃がん腹膜播種」といいます。腹膜播種は、腹水貯留、消化管閉塞、水腎症などをきたすため、患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させるとともに、予後を左右する重要な因子となります。
腹膜播種の治療は、手術だけでは根治が望めないため、化学療法が中心となります。転移を含む進行・再発胃がんに対し、「S-1(内服)+シスプラチン(静脈注射)」という抗がん薬の組み合わせが、現在の標準的な化学療法として行われています。
これに対してこの療法は、「パクリタキセル」という抗がん薬を、腹腔内に直接投与することにより、胃がん腹膜播種や進行性胃がんを治療するものです。
局所麻酔または硬膜外麻酔を行った上で、腹部を小さく開腹し、腹腔ポート(ほかの器具を出し入れするための筒状の器具)を留置します。このポートから、「パクリタキセル」を腹腔内に直接投与します。また、全身化学療法として、経口抗がん薬である「S-1」および「パクリタキセル」(静脈注射)を併用します。
この化学療法は、21日間を1コースとして行い、「S-1」は標準量(80mg/m2)を14日間内服し、7日間休薬します。「パクリタキセル」は第1日目および第8日目に50mg/m2を静脈注射し、20mg/m2を腹腔内投与します。
(1)腫瘍の進行が確認される、(2)有害事象により継続困難となる、(3)治療が奏功して腹膜播種や腹腔内遊離がんが消失する、のいずれかの状況に至るまで繰り返します。(3)の場合には、根治的手術の実施を考えます。
腹膜播種を伴う胃がんや進行性の胃がんに対して、パクリタキセル腹腔内投与と全身化学療法を併用することで、腫瘍縮小効果を増強させ、QOLの改善や生存期間の延長につながることが期待できます。
療養の分類: 薬物療法
適用部分: 消化器系のガン
実施医療機関
茨城県 茨城県立中央病院
茨城県地域がんセンター
〒309-1793 笠間市鯉淵6528 0296-77-1121
群馬県 群馬大学医学部附属病院
〒371-8511 前橋市昭和町3-39-15 027-220-7111
東京都 東京大学医学部附属病院
〒113-8655 文京区本郷7-3-1 03-3815-5411
帝京大学医学部附属病院
〒173-8606 板橋区加賀2-11-1 03-3964-1211
東京都立多摩総合医療センター
〒183-8524 府中市武蔵台2-8-29 042-323-5111
新潟県 新潟県立がんセンター新潟病院
〒951-8566 新潟市中央区川岸町2-15-3 025-266-5111
石川県 金沢大学附属病院
〒920-8641 金沢市宝町13-1 076-265-2000
福井県 福井大学医学部附属病院
〒910-1193 吉田郡永平寺町松岡下合月23-3 0776-61-3111
愛知県 愛知県がんセンター中央病院
〒464-8681 名古屋市千種区鹿子殿1-1 052-762-6111
大阪府 近畿大学医学部附属病院
〒589-8511 大阪狭山市大野東377-2 072-366-0221
大阪府立成人病センター
〒537-8511 大阪市東成区中道1-3-3 06-6972-1181
兵庫県 兵庫医科大学病院
〒663-8501 西宮市武庫川町1-1 0798-45-6111
徳島県 徳島大学病院
〒770-8503 徳島市蔵本町2-50-1 088-631-3111
鹿児島県 鹿児島大学病院
〒890-8520 鹿児島市桜ヶ丘8-35-1 099-275-5111
※ 東京大学病院で、費用は20回投与分で36万4000円
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