道路交通法が改正され、施行されています
道路交通法 平成19年9月19日施行~罰則強化
今回の改正では、未だになくならない飲酒運転や飲酒運転を隠そうとする悪質な運転者(ひき逃げ)に対する罰則強化のほか、道路交通法では罰則がなかった車両提供や酒類提供、また飲酒運転車両への同乗についても新たに罰則が設けられました。
運転者に対する罰則強化
改正前 酒酔い運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒気帯び運転 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
↓
改正後 酒酔い運転 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒気帯び運転 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
ひき逃げ(救護義務違反)に対する罰則強化
飲酒運転の発覚を恐れ、事故の被害者を救護せずに立ち去るといった自分本位な許し難い行為。ひき逃げが「逃げ得」と考える悪質な運転者に対して、罰則が強化されました。
改正前 5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
↓
改正後 10年以下の懲役又は100万円以下の罰金
※ 飲酒ひき逃げの場合最高で懲役15年になることも・・・
運転者以外の周囲の責任を道路交通法で処罰
改正前 道路交通法での罰則なし 飲酒運転の教唆や幇助罪などの刑法を適用
↓
改正後 車両の提供(運転者と同じ刑罰) 運転者が酒酔い運転 5年以下の懲役又は
100万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 3年以下の懲役又は
50万円以下の罰金
酒類の提供(飲食店もこれに当てはまる)
車両に同乗 運転者が酒酔い運転 3年以下の懲役又は
50万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転 2年以下の懲役又は
30万円以下の罰金
飲酒運転をした本人だけでなく、その背景にあると思われる飲酒運転を助長・容認する周囲の行為について、道路交通法を適用することとなります。
違反点数
違反種別 点数 処分内容
(前歴無しの場合)
酒酔い運転 25点 運転免許の取り消し
(欠格期間2年)
酒気帯び運転
(呼気1リットル中のアルコール濃度)
0.25mg以上 13点 運転免許の停止
(90日間)
0.15mg以上
0.25mg未満 6点 運転免許の停止
(30日間)
この処分は一例であり、過去の交通事故や交通違反の前歴等により異なります。
無差別殺人に匹敵! :危険運転致死傷罪
アルコールの影響により、正常な運転が困難な状態で運転して、人を死傷させた者は、危険運転致死傷罪の適用を受け、最長20年の懲役を科せられます。
飲酒運転という危険な行為により命を奪われた被害者や遺族にとっては、加害者は正に憎むべき「無差別殺人者」です。
危険運転致死傷罪が適用された飲酒事故の例
発生年月
○ 平成14年
1月 大阪府堺市 乗用車の一家4人死亡 1審判決懲役13年
無免許、飲酒運転の無職男のワゴン車が赤信号で交差点に進入して乗用車に衝突
12月 千葉県松戸市 歩行者5人死亡 同懲役15年
飲酒、居眠り運転のパチンコ店店員運転の乗用車が歩行者を次々はねた
○ 平成15年
6月 茨城県水戸市 2人死亡 1人重傷 同懲役12年
飲酒運転のトレーラーが故障車とレッカー車に追突
9月 栃木県真岡市 2人死亡 4人重傷 同懲役18年
無免許、飲酒運転のペルー人の乗用車が信号無視の上、交差点に進入して乗用車と衝突
○ 平成17年
2月 千葉県山武市 4人死亡 4人重軽傷 同懲役20年
飲酒運転の建設作業員の軽乗用車が同窓会帰りのグループをひき逃げ
5月 宮城県多賀城市 3人死亡 15人重軽傷 同懲役20年
飲酒運転の男のRV車が信号無視を重ね、ウォークラリー中の高校生を次々はねた
東京都内発生の死亡事故の容疑者、危険運転致死罪で起訴
平成18年9月 東村山市内で飲酒運転の車にはねられ主婦が死亡、運転手を業務上過失致死と酒気帯び運転の道路交通法違反として送致したが、その後の捜査員のち密な捜査により、東京地検八王子支部は運転手を危険運転致死罪で起訴した。
二輪車にも危険運転致死傷罪を適用!(平成19年5月23日公布6月12日施行 刑法の一部改正)
平成19年8月末までに発生の飲酒運転による死亡事故16件中11件が二輪車でした。約7割を占めています。また、8月中発生の死亡事故5件はすべて二輪車でした。
刑法が改正されるまでは「四輪以上の自動車」が対象でしたが、改正により「自動車」に改められて、「自動車」のなかには「四輪以上の自動車」に加え「二輪又は三輪の自動車」及び「原動機付自転車」も含まれ、対象となります。
二輪車による悪質で危険な運転行為による死傷事故も発生しています。自分さえよければ・・・それでは飲酒運転はなくなりません。
(警視庁の資料より)
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